看護部長メッセージ
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看護師と介護職が協働しやすい環境です
看護部長 佐藤美佐江
当院は認知症専門病院です。当院のある埼玉県蓮田市は人口約6万人、高齢化率32%です。全国平均が29%ですので、高齢者が多い市です。そんな蓮田市に当院のような専門病院があることは大変意義のあることだと思います。住み慣れた地域での生活が進められている中、認知症に関する困りごとに対して治療をしてまた地域に帰っていただく、という目的を持った病院です。
当院での治療は薬物療法と非薬物療法があり、看護部では特に非薬物療法に力を入れています。患者様とのかかわりには、ユマニチュードを導入していて、言葉の理解が難しい患者様でも、視線を合わせて笑顔で接することにより、笑顔が見られます。ケア時にスタッフも患者様も笑顔でケアができているときは本当にうれしくなります。「良いケアができると患者様の介護抵抗が減りスタッフも楽になる」この好循環を目指しています。
この好循環を作るためにはチームワークが大切です。困りごとがある患者様たちに入院生活を安全に送っていただくためには、たくさんの眼による観察や見守りが必要で、そのため、看護師と介護職の協働が不可欠です。「ちょっといつもと違う」「なんか変」という気づきが大切で、気づきをスタッフで情報共有し異常の早期発見に努めます。自分の体調不良を言葉で訴えられない患者様が不穏や興奮などで異常を知らせてくださる時もあります。以前も「今日はいつもより怒りっぽいな」と感じた患者様がそのあと発熱したことがありました。歩き方や食べ方、排泄などちょっとした変化も見逃さないようチームで取り組み、心の代弁者となれるよう関わっています。
困りごとに対する「うまくいくアプローチ」は、日々のケアや関わりの中で見つけていきます。清潔保持困難の方で「お風呂に入りましょう」は拒否されるのに、「診察ですよ」のお声がけではスムーズに移動できてそのまま入浴できた方がいました。甘いジュースが飲めなくても、凍らせてアイスにすれば食べられる方もいました。看護師や介護職が日々の関わりの中で見つけた、素晴らしい個別対応だと思います。このような発想を自由にやってみようと思える環境はやはりチームワークのなせる業だと思います。言い換えれば心理的安全性の高い職場です。心理的安全性の高い職場でなければ、認知症患者様の安全を守ることができないと思います。
私は、当院の理念「私たちは 大切な人に自信をもってすすめられる病院を作ります」が大好きです。私の大切な人は自分の家族や友人です。そして、一緒に働くスタッフも大切な人です。スタッフも自分の家族のように困っていることがあれば協力してあげたいし、相談に乗りたいと思っています。その方の人生において今がどんな時期なのかで、仕事よりも家庭を優先しなくてはならない時期もあります。趣味の時間をきちんと取りたい方もいると思います。ワークライフバランスを考えスタッフがいきいきと働き続けられる病院でありたいと思います。
看護部理念
すべての人の心と人格を尊び、質の高い心のこもったケアを提供します
目的
心身の残存能力を最大限に活かし、その人らしい生活を取り戻せるように支援していきます
目標
- 安全と尊厳を守り、患者様一人一人の環境を整える
- 認知症の専門病院として的確な看護・ケアを提供する